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肉体装甲 プロテクター 第六話 (裏)

どこまでも広く暗いその中、ただ一つ、異彩を放つまでに輝く青。青い星。
船はそこから、ゆっくりと離れていく。

プロテクターとの最終決戦、その代償はあまりにも大きく、疲弊した組織は一時の撤退を余儀なくされた。
手痛いものであった。
幾人もの怪人が消え、作戦が崩れ、苦い報告を繰り返した。
しかし、離れゆく地球を背にする幹部の姿、それはどこか洋々としていた。
そう、収穫がなかったわけではない。

「はなっせ…!離しや…が…れ、この…!」
小さくなる青い星を捉えながら、男が野太い声で叫ぶ。
叫ぶ。しかし、それだけ。何も出来はしない。
腕も脚も、体の自由は完全に奪われている。

磔になったその姿は、一種異様なものであった。
力瘤を蓄え、上腕二頭筋を強調する形。筋肉を誇示するような、逞しい上半身。
股は大きく開き、しかし膝は曲がり、どっしりとした脚が真っ直ぐに地に向かっている。
厳しい姿だ。太い体を余すことなく見せつけるような、ポージングのような格好。
しかしそれも、誰かに強制され、宙に浮いたままでは、却って滑稽な姿だった。

「こんな…格好…、くそぉ…ぉ!」
涙ながらに訴え吠えるが、その姿にもどこか覇気がない。
辺り一面、密閉された室内には、プロテクターを弱らせる、あの匂が充満していた。
守るべき地球を前にして、股間を熱くさせている。その屈辱を味わい、プロテクターが喉から唸る。

「貴様には随分世話になったものだ」
指が鍵盤でも叩くように、優雅に動いてスーツに触れる。
八の字に開いた股の付け根、突き破りそうな程に勃った股間が摩れる。
「あ、やめ…触、ん…な……!」
骨を折る事にはなった、しかし、だからこそ価値がある。
この男の力にも。この体にも。スーツにも。
「たっぷりと、解析させてもらうか。感謝しろ、貴様の力は全て、これから我ら組織のものとして活かされる事になる」
「く、…ころ……へぇ…っ!」
舌の回らぬ口で、悔し涙と共に声を出す。
目覚めた時には既に、舌を噛み切る事もできなくなっていた。
容易に自害も出来ない。ただただ、悔しさと快楽の中で、嬲りものになる運命しか残されてはいない。
しかし、最期まで抵抗は見せてやろう。意地でも、だ。
その意思で、黒仮面を睨みつける。

「そんな目が出来るのも、今のうちだ…。今までは所詮遊びに過ぎん…」
脅している。
そんな口調ではない。囚われの身に対して、脅しなど意味がない。
それより更に、恐ろしいもの。ごく当然、真実を語る口調だ。
「だが、もうそれもおわりだ。ここに連れてきた以上、な」
組織の宇宙船にして、そのアジト。そこは、組織の技術の粋を上げて作られたものだ。荒野とは違う。規模も、機材も。加えて、この宇宙空間では誰の邪魔も入らない。

「ゆっくりと、狂え」
声と共に、密閉された空間は大きく様変わりをした。
磔台の背後からは、多量の細い糸のようなものが這って出る。
プロテクターの耳を、背をなぞって伸び、巨躯の至る所に絡む。その細い糸のような触手の先端、そこには吸盤のようなパッドが付いている。
体の前からは、多数の異形の者どもが現れる。
戦闘員も、怪人も、皆まるで違う手に、一様にグローブを填めていた。

「な、なんだ、こいつらはっ!?」
マズいと。戦士の本能がそう告げる。
この態度、この機材、どれも、何か恐ろしいものを抱えた者たちの姿だ。
「は、はなせ!おれを…離さんかぁっ!」
声の限り叫び、吠える。しかしそれに響いたのは、金属の音のみだ。腕と足の拘束は緩まず。敢えて固定されていない腰だけが、前後に無様に揺れただけだ。
「やれ」
「が、ああぁ、ああぁあアアアッッ!!」
糸が、手が。
全身を隈無く 舐め上げる。

脂肪の一握りさえも逃がさず、筋肉組織の一本すら捉える。
ガチムチの体が痺れ、分厚い舌が口から飛び出る。唾液が飛散する。
情けなく開いたままの股の間、玉袋の下も、肛門の周りも、触ることすら恥ずかしいような場所まで、全てが犯される。

羞恥に震え、逃げようとしても、動くのは性器のぶら下がった股間だけだ。
揺らせば揺らす程、無様に、そして快楽を増す事しか出来ない。
「お、おぉお…はっ、ハッ…ん」
射精る。イク。
羞恥心や、プライドが、口の食いしばりになって顔面にシワを作る。
しかし、それでも、体が快楽に勝てるわけもない。
込み上げる快楽、その絶頂を味わう為に、腰が突き出た。
その直後。
ふっと、体中に感じていた振動が止んだ。
あとひと擦り。それだけで達することが出来る。その目前でプッツリと。

「何だその顔は、物足りない、とでも言いたいのか?正義のヒーロー様が」
「バ……野郎ッ…、俺はそんな…こと…」
「そうか、ならば好都合だろう。安心しろ」
「な、が…ヒぃ、いっ、いぃイイ…!」
触手の先端、そこから来る微弱な振動が、崖っぷちのプロテクターの背中を押す。しかしやはりまた、寸前で止められる。
「その先端からは、貴様のデータを随時取り入れている。射精の寸前で止まるように、いつでもコントロールができるというわけだ」
「そん…な、ぁぁああぁ、あひぃ、ひっ…ぃぃ」
じゃあなんのために、こんな変態じみたこと。
疑問も声に出せないまま、プロテクターの四角い顎からは、再び喘ぎのみが溢れて出た。


イク寸前まで追い詰められ、突き放される。精液が尿道手前まで込み上げ、しかしそこで戻される。何度も何度も。気が狂いそうな快楽の中、一度足りとも開放されない。
「へ、…ヘッ…ぇぇ…、はひ、…う、ぐぅぅ」
壊れるような甘い声は、いつしか小さな呻きのみに姿を変えた。
もう声も出ない。太い体を見せつけるポーズのまま、力無く膝が折れ、大きな尻が垂れる。勃起し続けの股間からは、止めどなく先走りが溢れ出る。触られる度、糸まで引く。
しかしどんなに脱力しても、触られれば覚えたての十代のように、体が跳ねて涎が飛ぶ。
それ程にまで、追い詰められる。

何故、何故。こんな。あの時はあんなに…。

「ああ…、いや…だぁ…、こんな…。…やめろ…、ちくしょ……、ぉおぉぉ…」
答えは見つけられないまま、孤立無援となった太い体が、腰を揺らして啼き続ける。
いやだ。
その言葉が、己の中の黒い欲求に染まりつつあるのにも気づかずに。



どれくらい経っただろうか。
朝も夜もない空間で、ただ同じことの繰り返し。
目覚めている時は、一刻の自由もない快楽責め。
しかしその責めも、快楽の最も高まる瞬間、一歩手前まで追いつめては、引き離される。

「あ゛ーっ、あ゛ー、はぁ、あ゛ーっ…」
いつしか、食いしばっていた上下の歯は開き、ぽかりと空いた口からは低く抜けた声ばかりがこぼれ出る。
目は虚ろになり、宙を覗いて惚けている。
口から垂れる涎は既に糸ではなく、一本の線にまでなっていた。だらだらと、お預けをくらった犬のように、後から後から溢れて出る。その足元、垂らした汗と涎と先走りが、水溜りすら作っている。そこから強烈に香る雄の匂。それが、プロテクター自身の鼻を、脳を絡めて犯す。

鍛え上げられた体は、困難や苦痛に立ち向かい、その度に強く逞しくなっていった。
窮地を救ってきたその学習能力が、今は仇となっている。
繰り返される刺激に、乳首も股間もとびきり敏感なものへ、いやらしい身体へと変貌させられていた。

スーツ越し、ペニスを握られれば、あっという間に絶頂まで辿り着いてしまう。
乳首を捏ねられれば、体に電流が走る。
とろけそうな快楽が、握られ、触られるだけで内から湧いて出る。
それでも、達しそうな瞬間には、波が引くように快楽が去り、痛みと苦痛で熱を冷まされる。

イキてえ、イキたい、出したい。
だめだ、だめだ、俺は正義の…。
心に思う言葉。
それも、繰り返す度、後者の声が小さくなっていく。

「お、い…イ…き…あぁ、ぁああおいお」
いきたいいきたい。
口から出かけて、また飲み込む。そんな事を、数え切れない回数こなした。


「久しいな、プロテクター」
虚空を見ていた目が、声に叩かれ光を灯す。黒い姿、憎い敵の形を捉え、淀んだで瞳でそれを睨む。しかし、その威嚇する顔も、どこかだらしがない。

久しい、その言葉で、随分と時が経った事に初めて気がつく。
時間の感覚も、正常な思考も失って、随分と経つ。
「どうだ、我々に協力する気になったか」
その言葉には、弱々しく首を横に振る。もう言葉での返答も出来ない。
あと一歩。ヒーローとしての意地すらも、もう残り僅か。
そんな様子が手にとるように見透かされる。

面白そうに、黒仮面の顔がぐっしょり濡れた股間に向かう。
「しかし、そのスーツ、…邪魔ではないのか…?」
邪魔。
じゃま。
ジャマ。
何を言っているんだ。一瞬その表情が浮かぶが、だがそれも一瞬。すぐに、プロテクターの顔もまた、濡れそぼった己の股間を覗いた。もう、この程度は羞恥にすら思えないようだ。
「お、オレ…は…、これで、お前らを…」
「まだ倒す、などと考えているのか」

愉快だと。馬鹿にしたように黒仮面が嗤い言う。
「しかし、そのスーツがなければ、さぞ極上の快楽が得られるだろうなぁ」
その言葉に、返事はない。
嘗ての誇り高きヒーローならば、馬鹿な話だと、一笑しただろう。一瞬の間、それが開く時点で既に、彼は変わってしまっていた。

「だ、だまれ…」
「達することが、出来るかもしれんぞ…」
「そん、そんな…、あ、はぅ…おぉぉ…」
時間が来た。
触手達が、怪人達が、戦闘員達が、プロテクターへの愛撫を再開する。
過ぎて毒となった快楽が、プロテクターの体を襲う。思考を壊す。
底のない快楽の嵐。心を犯す、気持ちの良さ。

いきたいんじゃねえのか。ええ。
どうなんだよ、素直になれよ。体はこんなにおツユ垂らしてるぜ。
どうせ誰も助けになんか来ねえんだ、狂っちまえよ。
ゴツイ体カクつかせやがって。ええ、ヒーローさんよ。

耳元で囁かれる誘いが、淫らな甘言が、プロテクターの霜降りの体に染み込んでいく。
勃起した根元から扱き上げられ、尻が門の手前で擦られる。腹が絞られ、胸を愛撫される。腋を掻き回され、耳すら犯される。
きもちいきもちいきもちい。
たりなり、もっともっと、いきたい。これが、もっと。
きもちいい、すげえ、もっと、もっと。
…そうすれば、きっと。

「あ、ひっ、そこ、スゲ…え」

渋い声が上ずって、一言。漏れたように、己の中の快楽を認めた。その時だった、
「あ!?あひぃ、ひん、おひっ…ぃいいい!?」
快楽が電流のように、肉の芯まで駆け抜けた。
ペニスが溶けてしまいそうな、脳までとろけそうな、心を壊す快楽。

それはある種の錯覚であり、同時に錯覚ではなかった
「あ、あ…ヒッ…なん…」
プロテクターが股間を見ると、そこはピッチりとした光沢のスーツの姿はなかった。ドロドロと、とろける快楽に呼応するように、スーツは溶けて形をなくしていた。

スーツだった。それは、スーツだったもの、だった。
紫色のゲル状に、股間部分だけが変質している。
長い間、決して晒されなかった部位が、ぴくぴくと。寸止めの繰り返しで充血しきったペニスが、先端だけ顔を出している。

「あ、ああ…、ハヒッ…、そんな…ばか…ナ。コ、これ…、は、こん…な」
スーツの着脱は、プロテクターの意思のよってのみ統括される。プロテクターが命じれば、半永久的に、それが脱げる事はない。
それがこうして、性器だけを剥き出しにしている。
望んでいるのだ。がちぶとの体の奥、滾る雄の本能が、ヒーローの殻を破ろうとしている。

「ち、違う…こんな、俺は…正義の…、こんな」
『お前らなんぞに、地球を好き勝手にはさせねぇぞ!』

とろとろと、留まることなく壊れていく。

「ああ、すげ…、すげ、気持ち…あ、駄目だ、やめ…、おお、おぉおぉぉ」
『どうした…えぇ…。こんなもんでっ…止めるつもりだったのかッ、俺を!』

剥き出しになる性器が、白い湯気まで出して臭いを立てる。

「俺、あ、俺、悪を…あ、あ、チンポ…ヒーロー…の、あ、チンポ…、くせ…あ」
『負けねぇぞ…、負けるわけにゃ…いかねぇんだ!』

プロテクターの表情が、涎を垂らして崩れていく。

「いや、だ。いやだいやだ、やべろ、…あ゛あ゛ぁ、気持ち゛い……おはぁああ」
『俺は…、俺は…イキ…たいもっと』

「あ゛あ゛ぁぁぁー!、は、はやぐ…!、もっど、シゴいてくれええ、俺のチンポ、チンポ気持ちよぐしてくれよぉおお!!」

その雄叫びは、プロテクターの心が、正義の闘志が、快楽に敗れた宣言。
正義のヒーローが、肉奴隷にまで堕ちた瞬間だった。
「ガハハ、ついに堕ちやがったぁ!」
周りからは、歓声のように声が上がる。
「あああ。あひ、ひぃん、きもっちい゛、たまんねェええ、たまんねェよぉおお!」
雄の声を上げながら、伸びた無精髭が似合う、男らしい顔が、絶望に歪み、そして壊れる。
頬が膨らみ、太い喉が歓喜に震える。快楽を享受する。

「くっせえな、酷ぇ臭いダ!」
スーツの中、垂れ落ちるまで溢れた先走りが。開放されて湯気にまでなる。
ぷんと、締まった空間に、プロテクターの鼻に、芳香が届く。
プロテクターを苦しめていたあの匂いに、どこまでも似た臭いが。


全身をピッチりと包むスーツの中、ただ一箇所だけ、それも選りに選って股間を剥き出しにして。
でっぷりした肉厚な体を、見せつけるようなポージングで固定させた姿。
その姿は、最早ヒーローでもなんでもない。変態と、そう呼ぶに値するものだった。

「をぉぉぉ、イク、イグ!チンポからデル、お゛はあぁああああ!」

一度の崩壊した頭には、もうどこにもブレーキはない。
直の刺激に耐えられず、懐かしい開放の味を卑猥な言葉で堪能する。

びゅくびゅくと、大量の白い精液が、紫のスーツに斑点を作っていく。
射精の官能の度、腰を突き出す度、スーツがビリビリと悲鳴を上げる。
脇、乳首、尻、内腿と。
性感の強い部位が選んで裂け、スーツを変態的なシルエットに変えていく。

堕落に見合った、変態ヒーローの誕生だった。


いつしか拘束も解かれたが、しかし逃げようとする様子も見せない。
それどころか、新しく露出した部位を怪人の手に渡すように、淫乱な格好で太い股を自ら開く。
「もっと、もっとさわっで、さわっでくでええええぇ!」
知ってしまった。この快楽を。
そこにはもう、嘗ての逞しいヒーローはいなかった。
雄の快楽に負けた、がちぶとの男が一人。

狂乱の中、あひん、あひ、と、あられもない声だけが、いつまでも続いた。




「どうだ、プロテクター、久しぶりの地球は」
「はい、とても…懐かしいです…」
この船に乗った時と同じ、青い星を目の前にして、二人で並ぶ。
黒仮面の姿は何も変わらず、真っ直ぐに立っている。
しかしその横、プロテクターの表情は、立ち振る舞いから何から、全てが変貌していた。

「おぉ、おっ……、ひ」
犬のお座りのように座し。デカイ尻を左右に振っている。
股間はいきり勃ち。上からも下からも汁を垂らしている。
股の間に挟んだ太い腕が、肛門周りを弄り回している。

「ひっ、ひひ…、あひん…」
全身を包むスーツ。ガッチリとした背中。太ましい体。低い声色。
それらは何も変わることなく、ヒーローとしての原型を留めている。それだけに、その姿は異常であり、卑猥だった。

「忙しない奴だ。もう我慢がきかんのか」
「あぁ、はい…、申し訳…ございません…。お、おれはぁ…」
「どうした」
「早く、…はひ、皆に見て欲しいッス、…お、俺の、俺の…」
太い眉を下げ、鼻水と涎でベトベトにしながら、口が開く。

「へ、変態…ヒーローの、どすけべな格好を…、もっとお…」
闘っていた時の、険しさも逞しもない。
苦しみも、恐れもない。
残っているのは、ただ快楽だけ。
そんな顔で、腰を突き出した。

「幸せそうな顔になったな」
「は、はい幸せ…です。おふ…チンポもケツも…おん、気持ちよくて、あぁ…、最高ッス」
ガクガクと下半身を揺らしながら、黒仮面に満面の笑みを返す。
「み、皆をもっと、お、オオ、…幸せに、して欲しいッス…」
「ははは、流石ヒーローだな。変態になった後も、市民の幸せを考えるとは」

狂った笑顔で、壊れた心で、快楽漬けの頭で、それでも市民の幸せを願う。
そんな淫乱戦士プロテクターを、褒めてやる。
「褒美だ、射精しろ」
「ああ、ありがき、おぉ…ぉ、幸せ…!い、イぐぅ!イぎま゛ず!」

血と涙を流し、苦しみ抜いたヒーローは、もういない。
精液と汗を垂らし、悦びを心から感じ、ヒーローは股を大きく開いた。
でっぷりとした股間から一筋、青い、青い星に向け、精液が放物線を描いた。




  1. 2010/04/28(水) 04:20:24|
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