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洗脳バス4~6話

-4-


ゴリさんが堕ちたと見るや、チームメイト達はギラギラした目を探るようにバスへ向けた。探しているのだ。もう残り少なくなった、雄を拒む男を。
誰もが理性を無くしたような顔で、しかし統一された動きがそこにあった。その整った動きは、いつかどこかで見たような気がした。
「なぁ、なにしてんだよ」
唖然としていた背中に、既に指が伸びていた。堕ちていない男は誰もが狙われている。聡一も例外ではない。当然だ。
シャツが掴まれ、浮遊感のままに脚が宙へ浮いた。
「うわあ!」
床に転げるのならまだよかった。しかしその期待に反して、聡一の背は柔らかく受け止められた。椅子の上だ。気付き、汗が流れた。
自分はあんな姿にはならない。なりたくない。そうは思うが、先までの光景を目の当たりにして自信を保っていられる人間がいるだろうか。あれだけ嫌がっていたゴリさんは、今も椅子の上で腰を振っているのだ。聡一の腰は抜けたように動かなかった。
体の横を手が通った。椅子の横へ伸びている。
ああ、駄目だ。やめてくれ。俺は。
どさりと、体に熱い男の肉体が伸し掛ってきた。このまま俺も周りと同じようになってしまうのか。恐れ、聡一は目をきつく閉じた。

「馬ッ鹿野郎!なにボケッとしとるんだ!」
「…え」
間近で聞こえた怒鳴り声に、目を開けた。
「あ、あれ、しゅ、主将!?」
目前にいたのは、眉を怒らせた主将だった。伸し掛った、そう思った相手は、どうやらのされて倒れてきただけのようだ。
「ワケが分かんらんが!…とにかく止めるぞ!立て!」
肩を掴まれ、椅子から引き上げられた。強引そのものの動きは痛くすらあったが、しかし同時にその力強さに安堵した。
誰かがいるという事は、それだけでも心強いものだ。加えて相手はあの主将だ。時折子供のように頑固な人だが、癖のあるチームをまとめ上げる強さのある人だ。

考えている事は二人同じだったらしい。打ち合わせもなく、揃ってバスの先頭へ、運転席へと駆け出した。
もう一刻の猶予もない。そんな恐れの中、阻む仲間達をタックルで押しのけ、腕で払って突き進む。コイツらの為でもあるんだ。心の中でそう唱えながら、拳を握って前へと進む。

雄狂いになったチームメイト達を何人除けただろう。ようやくあと少しというところまで近づいた。
「おい、テメエらなにしてんだ…」
並べた二つの大きな肩が、ビクリと震え立ち止まった。
テメエ、ら。
聡一はともかく、主将相手にこうまで高圧的に話しかけられる人間は、一人しかいない。
「コーチ…」
呟いたのは主将だった。険しかった顔に、影が差していた。

褪せた黒色のジャージに包まれた体が、仁王立ちで通路を塞いでいた。太い首、ガッチリと盛り上がった肩や、Tシャツの上からでも分かる胸は現役のラガーマンと比べても遜色ない。運動不足で張りすぎたビール腹、ただそれだけが見劣りするところだった。普段ならば。
しかし今、それ以上に違うモノが下に見えた。
「何やってんだよ…。主将はよ…皆の手本になれって俺の話…何度も聞かせた筈だけどな」
口調も、態度も、立ち振る舞いもいつものコーチだ。だからこそ、まるで別物のようだった、その下半身は。
自らジャージを膝下まで、下着ごとずり下げて、変質者のように陰部を晒していた。そうして剥き出しにしたそこは、意外な姿だった。太く短く、皮の被った小さな肉、包茎チンポが飛び出していた。

「どいて…ください…、コーチ」
詰まった主将の声には焦りが見えた。どこか距離のあるコーチという立場で、その最も近くにいたのは、いつも主将だった。恩師の痴態、目を逸らしたいものだろう。
「だめ、だ、ほら…お前も主将なら…皆の手本になるように…」
ばさりと、ジャージがついにただの布になって床へ落ちた。ソックスに包まれた太い足を引き抜き、大股を開く。
皮で包まれた小さな肉棒が、ゆっくりと固くなっていく。
「もっと…おほッ、いやらしくならねェと…駄目だろぉお…」
がっしりと組んでいた腕が、下半身に伸びていく。一本はチンポへ、もう一本は尻へと。右指が小さなそれを摘み、皮を剥いた。
「チンポも…出さねえで、主将…、はひっ、しっかく…ぅ、うぉ…だぞ…ぉおおっ」
意味の分からない説教を垂れながら、右手はいやらしく上下させる。皮を使い、くちゅくちゅと先走りが擦れて音が鳴った。
ギンギンになっても股間は、子供のような大きさのままだ。ただ音だけが大層に、ベトベトのチンポから溢れていた。

「ケツ、ケツだって、いじ、いじらねえと、はぁ…おぉお!」
真面目一辺倒だった顔も、口調も、メッキが剥がれ落ちるかのように阿呆の顔に堕ちていく。
チンポをいじっていた手が上へ向かっていた。Tシャツをたくし上げ、出っ張った腹を、胸を晒す。
「はぁ…ぁぁあーーっ、ここも、すげ…ああ、気持ち…いいぞ…おォォ」
靴下の上からも、ピンとつま先立ちしたいやらしい足が見えた。胸の、股間の、尻の、全身からくる快楽にガクガクと腰が震えていた。

まるで下から込み上げていくようだった。
足の先から順番に、チンポ、尻、腹、胸、そして頭。
どんどん侵食されている。変態に。変えられている。
コーチの面影が消えていく。

「コーチさすがっす…すっげえ、スケベだ」
後ろに回り込んでいた三回生が、背に回っていたコーチの腕を掴んだ。それをごそごそと動かすと、コーチの丸い体がビクンと大きく跳ねた。
「ああそ、そこ!…ぃ…そうだ、もっと、ああ」
「ココ、ココをゴリゴリするのがいいんっすか?」
「あひ、あぁ…そ、そうだ!ああ、こんな、カミさんにも見せたことねえのに、ああ、いい…」
一回り以上離れた学生に後ろを弄られる。その背徳的な快楽に、淀んだ頭が歓喜の声をあげさせる。空いた両腕は盛り上がった胸を揉みしだき、無精髭の伸びた顎にはダラダラと涎が垂れていた。

「ああぁ、テメエら…あぁ…お、俺が…不甲斐ねえ主将に代わって…おぉ、お前らに…にいイイ!たっぷり教えてやるぅう!」
腰はネジが外れたように激しくガクつき、勃起した小さなチンポの先、真っ赤な亀が頭を上下に激しく揺する。唾を飛ばし、濁りきった目でバス中のラガーを仰ぎ見るその顔も、どこかネジが外れていた。
「うぉ!おお!…く、クる!…スゲえ!こんな……あぁああハジめてダあアア!」
そのまま扱き上げることもせず、小さなペニスには見合わぬほどの大量の雄汁が、真っ白い放物線を描いた。
溜め込んだ中年の精液が、栗の花の臭いをぷんと撒き散らせながら前へ飛ぶ。
「う…く…!」
数滴が主将の足元に、シャツに掛かった。咽返るような雄の臭いに、主将が顔の皺をより深くした。
「くそ…コーチまで…こんな変態に…。…どいてくれねえなら、俺がぶっ倒して…先に行くっす」
言い切って主将は、ベッタリとした精液に怪訝な顔を、淫乱になったコーチには決意を決めた顔を向けた。

しかしそれ以上に。
ギラリと光る視線が、バス中から主将に集まっているのには、まだ聡一も気がついてはいなかった。


-5-


空気そのものが変わっていた。
最早変化は臭いどころではなく、ここにある全てが異形だった。
頬を抓れば覚めるのでは、今でも夢ではないかと、何度も心で呟いた。

「さあ、早くお前らも…」
「よせ…よしてください!」
しかしそんな事をする間もなく、状況は時間と共にさらに現実味を欠いたものになっていた。精液の臭いを包茎から漂わせながら、コーチがよたよたとこちらに近づいてくる。ように見えた。寸前まで。
コーチの脚力が健在であることには、避けた後で気がついた。
弾丸のように跳んだコーチの体から、右へ左へ、反射的に二手に避けた。
狭い車内だ、ろくに着地も出来ない。聡一は体ごと椅子に倒れかかり、かかる衝撃を和らげた。主将もなんとかかわせたようだ。
今や自分の身より大切な相棒に、聡一は目を向けた。
「ヘヘ、コーチの臭いがこびり付いてる…、堪んねえ臭いだなあ…」
「ぬ、お!?」
しかしそこにあった光景は、最悪のものだった。
主将の着地点と思われる場所には、予めトラバサミを仕掛けるようにして二回生が待ち構えていた。不安定な姿勢ではさすがの主将も逃げ切れず、ガッチリとホールドされている。
そうなることが決まっていたように。分かっていたような動きだ。

そうだ、そうだった。あの時も、…今日の試合も、こんなふうに思っていた。

「は、離せええ!!」
試合中のように揉みあう男達だが、しかしあまりにそれは違っていた。互いの体、ラグパンやシャツを擦り合う、肉の塊が蠢くような淫靡な光景だ。
怒号ではなく快感に吠えながら、コーチの精液の臭いを目印にし、アリの軍勢が群がるように主将を囲む。
気が付けば、全員が主将の方を見ていた。もう誰もいないのだ、自分達二人以外、誰もこの状況をおかしいと思っていない。
「やめてくださ…コーチ!」
己の毛深い足を歓喜の顔で舐め上げる恩師の姿、目前で見せられた主将が濁った悲鳴を上げた。
「ああ、ひでえ臭いだなあお前のここは…」
「ああ、ク…クソッォオ!」
誰もが見ている。勝気で横柄な主将が犯されようとしているところを、チームメイト全員の目が写している。
全員の、目。
聡一はようやくそこに気が付いた。気づかれていないのだ。
あまりに主将が声を荒らげるものだから、誰もが皆主将に向いている。誰もまだ、聡一が変わっていないことに気がついていない。

「皆で、もっと…いやらしいドすけべラガーになりましょう…」
「主将、いつもみたいにちゃんと指導して欲しいっす」
主将の体が浅く浮き、隣の椅子へと運ばれる。まだ背が倒れていない椅子に。
「しゅ、しゅしょ…!」
ばかやろう!いまのうちに、いけ!
呼びかけようた聡一に、男達の塊の中ようやくと覗いた目がそう返した。叫んでいた。いつもの主将の目だ。こうと決めたら頑なな、あの眼だ。
道を塞いでいたコーチは、主将の足元だ。今から走ればたとえ気付かれたとしても、追いつける人間はいないだろう。
千載一遇の機会だ。バスを止められる。逃げられる。

俺は、だ。
主将は…。
一目見ようとしても、もう姿も見えない。
今日一日で何度も聞いた、嫌だも、やめろも、何も聞こえない。反吐がでるような光景の中で、堪えているのだ。俺の決意の邪魔をさせなために。


「ばっか、野郎」
主将の悲痛な声が聞こえた。怒鳴られ、殴られるものだろうと思っていた。しかし声にはか細い弱さが混じっていた。いつも強がる主将の、初めて聞く声だった。
「主将のそんな声、へへ、初めて聞きました」
「ほんと、ばっかだな」
主将を囲むいやらしく笑う男達の顔、その内の一つの顔が弱く笑った。振り切れなかった、戻ってきてしまったのだ、主将を助けるために。
「俺が、今度は俺が主将を…助けます」
言い切って、腕を伸ばした。胸、股間、尻、どこをも愛撫している腕を避け、誰も触れていない手に向かう。
「…!?…は、離れろ、はやく…!」
「いやっす、俺は!…それに、もう少しで!」
「はやく、早くしねえと」

腕が届いた。分厚い手が重なる。汗で濡れた手は気持ちのいいものではなかったが、試合中を思い出させるものだった。今では不思議と懐かしいものだった。そうだ、きっと戻せる。皆戻る。バスを止めて、原因をなんとかして。まだまるで想像もつかないが、この人と一緒ならやれる。そんな自信があった。
聡一の顔に明かりがついたような笑顔が灯った。
主将も一緒に、その厳つい顔に笑みを作った。

いやらしく。
「へへ、ひへへへ…」
ぐいと、引き上げるつもりだった腕に引き寄せられた。
次の瞬間には、聡一は主将の分厚い体の上だった。
「……しゅ、しゅしょ…う」
「あぁ…ハァ゛ー…ア゛ー」
体がピタリと重なった。逞しく鍛え上げた体が、肉の隙間まで合わさっている。何より、何処より、下半身の一部分が固く、熱く。
聡一の下、主将の下、椅子の背は傾いていた。

「ああ…お前のチンポ…チンポ」
うわ言のように卑猥な単語を口にする主将。その顔には理性の一欠片すらない。僅かには、希望を持っていた。次こそ違うんじゃないか、主将は違うんじゃないのか。そんなものは、この眼前のいやらしい雄に微塵に砕かれた。
「なんでココ…固くしてねえんだよぉ…ダメじゃねえか…」
股間に当たる硬い感触が、上下に揺れる。ラグパン越しだというのに、湿り気すら感じる熱い肉棒の感触だ。
「ハァー、俺なんであんな…阿呆みたいに抵抗していたんだ…。ああ、コーチ…許してくだ…さい」
つい数秒前の勇敢な思考全てを否定する言葉を、喜びながら口にする。蕩けきった表情で、今の変態になった思考を受け入れていた。

「へへっへ、ようやく利口になったなあ」
コーチのずんぐりとした体が、聡一と主将の間に割り込んでくる。大きな尻が二本のチンポを挟み込んだ。
「み、見てくれよ…お前ら…俺のでっけえケツ…見てろよ!」
コーチは丸裸の下半身の毛深な腿を器用に動かし、主将のラグパン、サポーターをずり下げた。ぶるんと外気に出た肉棒が、天井に向かってそそり立った。つい一分前まで縮みきっていただろうそれは、ツユまで垂らして欲深に光っていた。
「ああ、こんな…スゲエ…」
コーチが舌なめずりをして、自分とは大違いなそそり立つ塔を羨望の眼差しで見た。包茎チンポがぷるぷる揺れて、太く逞しい主将の肉棒に重なった。
「あ!おおぉ!っおほおお!俺…オヤジの癖に、ガキみてえなチンポだ!ああ!」
「スゲ…おぉお…!人に…扱かれて…コーチに扱かれてる!」
二倍近く差のあるチンポが、重なりあってズリュズリュと音を立てる。コーチは普段包茎をそう扱いているのだろう、主将のズル剥けのチンポの皮を上下させ、根元を器用に扱き上げていた。
包茎の扱き方をされている主将が、情け無さと快感に雄の声を上げていた。
目の前に広がる主将とコーチの狂宴、すぐ手の届く場所にある筈のその光景を、聡一は止めることすらできなかった。


-6-


「おっほお!ああ、お、俺…犯されてる!ああ、生徒にヤラれてるぅ!
「あ、ああ、セックス!して、る、俺、俺女ともしたこと無いのに…!ああ」
バスが走る。
何の変哲もないバスに、そう見えるバスが。
声は外には届かないが、走る一瞬に目を凝らせばその異常な光景が目に入るだろう。ラグビーの為鍛え上げた体を何重と重ね、狂った笑顔で絡み合うスポーツマン。一人、また一人と抵抗していた者は消え。つい先刻まで拒んでいた行為に、悦びながら混じり合う。肌色の渦がバスの中で巻いていた。

その渦の中心、ただ一人だけ残った聡一も、その動きに抵抗は見えなかった。
「なあ、俺の…俺にくれよ…お前の…」
犯されるコーチを横目に、主将が分厚い体を伸ばして、求める。男に尻を犯され、体を弓なりにし、包茎を自ら扱き上げるその姿がうらやましくて堪らない。そんな顔だ。
緩慢ですがり付くような動きだ。いつも見ていた試合中の、練習中の姿にも劣る弱い格好。情けない。跳ね除ければ、簡単に拒めるであろう格好だ。
「……」
下着まで脱がされながら、しかし聡一の脚は動かなかった。
ほんの数分前まで、自分の為に動いてくれた人だ。誰が割り切れるだろう。拒めるだろう。

主将の分厚い唇が開いた。大きな胸に溜まった熱い息が、萎えた肉棒をじっとりと熱していく。
昨日まで想像もしていなかった。あの鬼のような主将が、ヨダレを垂らして肉棒にむしゃぶりつく姿なんて。それも、俺のモノを。
「あ…ひっう」
「ああ、うめえぇ…うべえぇよぉ、チンポ口に入っへる…」
背中を背徳的な快感が走る。目を下に向ければ、厳しい顔の主将が顔をデレデレに蕩けさせてチンポを出し入れしている。舌足らずな口調で、強引に己の情け無さを繰り返す。
「なぁ…俺にも、俺にもコーチみたいな事…してくれよぉ」
丸出しの下半身をもじもじとさせ、主将が太い眉をハの字にしていた。
毛深な尻は女のものとは大違いで、普通ならば欲情のよの字も湧き上がらない。だからこそ、最早自分も『普通』の中にはいないことを思い知らされていた。
熱いのだ。舐められているペニスだけではなく、体の奥底が、熱い。
この雄を征服したいという、動物のような本能が沸き上がっていた。精神に混じり合っていた。

付き合いの長い友人たちは、長年連れ添った恋人のように絡み合っている。
堅物だったジューショク先輩は、今も悩ましげな腰使いで男を誘っている。
荒々しい性格のゴリさんは、ケダモノ同然の姿でセンズリに狂っている。
口を開けば厳しい怒鳴り声を上げていたコーチは、今や嬌声ばかりを口から垂れ流している。

鼻を通る空気は全て、精液と汗を含んでいた。耳に入る音は、チームメイト達のあられもない喘ぎ声が全てだった。
狂ってしまった周りの環境が、いつしか正常を呑み込んでいた。狂っていることが正しいのだと、全員がそう言えば、それは正しいものになる。

主将が求めている。俺の体を、盛りのついた雄犬のように、雌犬のように求めている。
後ろを見た。ただ一つ残った、傾いていない椅子があった。
「主将…そんなに、欲しいんっすか」
「ああ、頼む、頼むよ!俺、ラグビー部の主将のクセしてまだ男に犯された事もねえなんて情けねえんだよぉ!」
汗に湿った体に触れる。鍛えられ、弾力のある肉を抱えるように連れて行く。どかりと、自分が下になり聡一が座りこんだ。
景色が傾いた。
天井が目の前に広がった。
覗き込んできた男は、目の前にいたのは、素晴らしいチームメイトと、新たな価値観だった。


そこは大学の敷地内だった。過剰なまでに緑化された風景が、どこか隠すようにその灰色の建物を囲んでいた。そこに今、一台の大型バスが止まっていた。

空気の抜ける音が漏れ、ドアが開いた。
太い脚がどかりと大きな音を立てた。白いソックス、白いラグパン、濃色のラグシャツ。全ての人間が同じ格好をしている。ただのラグビー部員の降車だ、遠目には。
しかしその姿は異様なものだった。

何年も訓練を受けた兵士のように、バスから降りる足並みは完璧に揃っている。それだけ真面目な雰囲気でありながら、しかし誰もの下半身が淫靡に盛り上がりを作っていた。ラグパンの先端に染みを作っていた。
「ハァ…ハッ…」「おぉ…ぉ…ぉぉ」
肉棒が生地に擦れる感触に、堪らず声が上がっている。脚だけは操られたように進めながら、しかし腰は精一杯振り、尻を突き出し、股間を擦り付け進んでいる。
本来股間にあるべきサポーターやスパッツは、ある者は手に持ち、またある者は首に掛け、酷いものは顔に貼りつけていた。羞恥心の一片も見えない、淫乱な雄達の姿だった。

坊主頭、ゴリラ顔、ジャージ姿の中年。次々と、かつてはラガーらしく締まっていた顔をしていたであろう男達が姿を見せる。そして最後、
「ほら、主将、もう皆降りてるんっすから、いい加減にしねえと」
「おゅぉぉおお!嫌だ、お、俺はぁもっど…犯されてぇんだよぉお」
「一番の変態になっちまいましたね、淫乱主将だなあ」
駅弁の格好で、後輩達に抱えられた主将が降りてきた。

どの顔も苦痛や戸惑といったものは見えず、ぼんやりとして、どこか自我を欠いた表情をしていた。しかしその頬は緩みきっていた。

全員一列で、中に入れ。

全員が出ところで、淡々とした声が建物の中から響いた。
初めて聞くはずのその声に、その命令に、何十もの顔が一斉に恍惚とした笑みを浮かべた。
乱れきっていた主将すら体を地面に落とし、全身で平伏しその言葉から来る悦びを味わった。
そして間もなく、男達はそのまま黒く深い扉に、吸い込まれるように入っていった。

つい一時間前、バスに乗ったときと面子は誰一人変わっていない。しかし、誰ひとりとして同じ表情はしていなかった。
涎や先走りが、バスから線すら引くように、たらたらと落ちていた。
人間としての大切なものを、全てあのバスに残してきてしまった男達は、最後の尊厳をさらに零しながら暗く深い扉の中へと進んでいった。


歴史の浅いこの大学のチームが、そもそも何故このバスを利用しだしたのか。出処は一切不明だった。しかしこのバスを利用しているチームと試合をした相手は、後日必ずバス移動に、それもこのバスに切り替えるようになっていった。
素晴らしいまでの能力の向上が見られ、いつしか口コミで、人伝いでこのバスは広がっていった。

あまりの広がりに不審に思う人間もいたが、一度このバスに乗ってしまえば、その意見を全く正反対のものにした。結局、誰もが認める素晴らしいものだとして、このバスは広がっていった。

そのバスはどこまでも増え、どこまでも走っていく。
終着駅の名は…。






  1. 2010/10/01(金) 00:45:37|
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